この記事の要点

  • 基礎代謝の土台は筋肉量ですが、動作の中で使えていない筋肉は鍛えても刺激が入りにくく、増えにくいままです。
  • 理学療法士は立ち上がり・片脚立ち・腕上げなど5つの動きで、お尻・背中・体幹のどこが眠っているかを見つけます。
  • B.E.Tでは整体で関節の動く範囲を戻し、同じ60分の中で眠った筋肉を起こしてから負荷を上げていきます。

「スクワットも腹筋もしているのに、代謝が上がった気がしない」。そういう方の動きを見ると、鍛えているつもりの筋肉がそもそも働いておらず、前ももや首・肩が代わりに頑張っていることがよくあります。基礎代謝の土台は筋肉ですが、増やしたい筋肉に刺激が届かなければ増えようがありません。この記事では、理学療法士が初回評価でどうやって「眠った筋肉」を見つけるのか、そしてB.E.Tの60分でどう使える筋肉に変えていくのかを、自宅でできるチェックと合わせて解説します。

筋肉を増やす前に「その筋肉は使えているか」

基礎代謝は、何もしていなくても呼吸や体温の維持で使われるエネルギーです。体格や年齢の影響が大きく、自分で働きかけやすいのが筋肉の量だと言われています。だから「筋トレで筋肉を増やす」という方向性自体は間違っていません。

ただ、筋肉は「使われた分だけ」刺激を受けます。スクワットでお尻を鍛えるつもりが、動きのクセで前ももと膝ばかりに負担が乗っていれば、お尻には刺激が届きません。何ヶ月続けても前ももだけが張り、代謝の土台にしたい大きな筋肉は眠ったまま、という状態になります。

ただし、正直にお伝えすると、筋肉が増えて上がる基礎代謝はそれほど大きくありません。筋肉1kgが安静時に使うエネルギーは、1日あたり十数kcal程度と見積もられています。それでも筋肉を「使える」状態にする意味があるのは、トレーニングや歩く・立つといった日常の動きで働く筋肉が増え、減量中も筋肉を落とさずに済むからです。

私たちは基礎代謝の数字そのものをすぐに動かすものとは考えていません。そのかわり、お尻・背中・体幹という大きな筋肉が、トレーニングでも日常動作でも使われる体にすることを最初の目標にしています。使える筋肉が増えれば、トレーニングの刺激が狙った場所に入り、筋肉を保ち・増やす土台ができます。

眠りやすい3つの筋肉と、そのとき起きている動き

臨床とジムの現場で動作を見てきて、特に眠りやすいと感じるのが次の3か所です。どれも面積が大きく、本来は代謝の土台になってほしい筋肉です。

1. お尻(大殿筋・中殿筋)

椅子から立ち上がるとき、お尻が後ろに引けるより先に膝が前に出る人は、お尻より前ももで立っています。片脚で立ったときに、浮かせた脚の側の骨盤がストンと下がるのは、立っている側のお尻の横(中殿筋)が支えきれていないサインです。

2. 背中(広背筋・肩甲骨まわり)

腕をまっすぐ上に上げたとき、腕が耳の横まで来る前に腰が反る人は、背中と肩甲骨が動かない分を腰で稼いでいます。この状態で背中のトレーニングをすると、腕と首に効いて背中には残りません。

3. 体幹(腹横筋)

お腹を薄く締める腹横筋は、外から見えにくい分、働いていないことに気づきにくい筋肉です。立った姿勢で下の肋骨が前に開き、呼吸をしても肋骨の下のほうがほとんど動かない人は、腹横筋がうまく使えていないことが多くあります。

理学療法士が初回評価で見る5つの動き

B.E.Tの初回評価では、筋肉を一つずつ触って調べる前に、まず動きを見ます。眠った筋肉は、動作の「代わりに頑張っている場所」から見つかるからです。

  1. 壁立ち:壁に背中をつけ、後頭部・肩甲骨・お尻・かかとが自然に触れるか。腰と壁の隙間の大きさも見ます。
  2. 立ち上がり:椅子から立つとき、膝が先に出るか、お尻が先に引けるか。
  3. 片脚立ち:浮かせた脚の側の骨盤が下がらないか、上体が大きく傾かないか。
  4. しゃがみ込み:踵が浮かないか、膝が内側に入らないか。足首と股関節がどこまで動くかが分かります。
  5. 腕上げ:両腕をまっすぐ上げたとき、腰が反ったり肋骨が開いたりしないか。

この5つを見ると、「お尻は使えるが背中が眠っている」「体幹が抜けているので片脚になると崩れる」といった組み合わせが見えてきます。人によって眠っている場所が違うので、同じメニューを全員に渡すことはしません。

なぜ眠るのか:関節→筋肉→動作の順で起きること

筋肉が眠る原因の多くは、筋力そのものより「関節の動く範囲」にあります。お尻を例にすると、順番はこうです。

  1. 長時間座る生活で、股関節の前側が縮んだまま硬くなる
  2. 股関節が後ろに伸びきらず、骨盤が前に傾いた位置で固まる
  3. お尻の筋肉は引き伸ばされた位置にあり、縮んで力を出しにくい
  4. 立ち上がりや階段で、前ももと腰が代わりに働く動きが習慣になる

背中も同じで、背骨の胸のあたりが丸まって硬いと肩甲骨が動けず、腕を上げる動きを腰の反りで補います。つまり、関節が硬い→本来の筋肉が働けない位置になる→別の筋肉で代わりに動く、という流れです。この状態で負荷だけ増やしても、代わりの筋肉がさらに強くなるだけで、眠った筋肉は起きてきません。

B.E.Tの60分:ゆるめる→起こす→負荷をかける

B.E.Tの1回60分は「評価→整体→トレーニング」の順で進みます。眠った筋肉に対しては、次の3段階で考えます。

整体でゆるめる

お尻が眠っている人なら股関節の前側と太ももの前、背中が眠っている人なら胸のあたりの背骨と肋骨まわりをゆるめ、関節が動く範囲を戻します。代わりに頑張っていた筋肉の緊張がとれると、眠っていた筋肉が働ける位置に戻ります。

軽い運動で起こす

戻った範囲を使って、まず小さな運動で狙った筋肉だけを働かせます。お尻ならヒップリフトで腰を反らさずにお尻を締める、体幹なら息を吐きながら下の肋骨を閉じる、といった運動です。ここで「どこに効いているか」を一緒に確認します。

大きな動きで負荷をかける

狙った筋肉が先に働くようになってから、スクワットやランジ、引く動きなど大きな動作で負荷を上げます。順番を逆にしないことが、眠った筋肉を使える筋肉に変えるいちばんの近道です。整体とトレーニングを同じ時間に続けて行う理由はB.E.Tのメソッドで詳しく紹介しています。

あわせて、食事は無料アプリ「カロみる」に記録してもらい、来店時に対面でフィードバックします。筋肉を起こしても材料が足りなければ育たないので、たんぱく質の不足や食事の削りすぎがないかを一緒に確認します。食事の組み立ては基礎代謝を上げる食事の記事にまとめています。

自宅でできるセルフチェック:お尻は先に働いているか

眠った筋肉があるかどうかは、自宅でもある程度確かめられます。

チェック1:ヒップリフトで最初に固くなる場所

  1. 仰向けで膝を立て、足は腰幅に開く
  2. 両手でお尻の横を軽く触っておく
  3. 息を吐きながら、お尻を床から少し持ち上げる
  4. 持ち上げた瞬間に、お尻・もも裏・腰のどこが最初に固くなるかを感じる

お尻より先にもも裏がつりそうになったり、腰が反って腰の筋肉が固くなったりする場合は、お尻が後回しになっています。

チェック2:椅子からの立ち上がり

鏡の横に椅子を置き、手を使わずに立ち上がります。立つ瞬間に膝がつま先より大きく前に出て、お尻が引けないまま立っているなら、前もも優位の立ち方です。毎日何十回もする動きなので、ここが変わるとお尻が使われる回数そのものが変わります。

現場でよく見る遠回りと、最初の一歩

代謝を上げようとして遠回りになっているパターンには、共通点があります。

大阪・心斎橋(南船場)のB.E.Tでは、代表トレーナーの理学療法士(国家資格)が、どの筋肉が眠っているかを動きから見つけるところから始めます。初回体験(90分 ¥5,500)はネット予約で空き枠を選んでお申し込みいただけます。

よくある質問

Q. 基礎代謝を上げるにはどこの筋肉を鍛えればいいですか?

面積の大きいお尻・背中・太もも、そして体幹が土台になります。ただし動きのクセで別の筋肉が代わりに働いていると、鍛えても刺激が入りません。まず立ち上がりや片脚立ちで、狙った筋肉が先に働くかを確かめるのがおすすめです。

Q. 筋トレをしているのに基礎代謝が上がらないのはなぜですか?

関節の硬さで狙った筋肉が働けない位置にあり、前ももや首・肩など別の筋肉に負荷が逃げていることがよくあります。また食事を大きく削っていると筋肉の材料が足りません。フォームと食事の両方を見直すことが必要です。

Q. 眠った筋肉は自分で起こせますか?

ヒップリフトで腰を反らさずにお尻を締める練習など、軽い運動である程度は可能です。ただ、関節の硬さが原因の場合は運動だけでは戻りにくいので、評価で原因を確かめ、硬い部分をゆるめてから行うほうが効率的です。

Q. 大阪・心斎橋で基礎代謝を上げたい場合、B.E.Tでは何をしますか?

理学療法士が初回評価で5つの動きを見て、眠っている筋肉を特定します。そのうえで1回60分の中で整体→トレーニングの順に進め、食事はカロみるの記録をもとに対面でフィードバックします。

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