この記事の要点

  • 立ち上がりで膝が痛む人の多くは、体幹を前に倒す前に膝を前へ出し、太ももの前だけで体を持ち上げる「膝で立つ」動きになっている。
  • 出発点は膝ではなく、股関節の前側の硬さと、お尻を引いて体重を足に乗せる動きの不足にある。
  • 膝をかばうより、股関節の動く範囲を戻してからお尻で立つ練習をすると、立ち上がりの膝への負担は変わりやすくなる。

椅子から立つ瞬間、ソファやトイレから腰を上げる瞬間に膝の皿の下あたりがズキッとする。立ってしまえば歩けるのに、最初の一歩を出すまでがつらい。こうした相談を40代から70代の方、そしてご家族からよく受けます。「年のせい」「軟骨がすり減ったから」と諦めている方も多いのですが、理学療法士の立場から立ち上がりの動きを見ると、膝そのものより「立ち方の順番」に原因があることがほとんどです。この記事では、立ち上がりを3つの局面に分けて、どこで膝に負担が集まるのか、B.E.Tでどう変えていくのかを解説します。

立ち上がる瞬間に膝が痛むのは「膝で立っている」から

立ち上がるときに膝が痛むのはなぜか。結論から言うと、本来お尻と股関節が担うはずの仕事を、膝と太ももの前だけで引き受けているからです。椅子から立つとき、体重は一度お尻から足の裏へ移らなければなりません。この移動がうまくいかないと、膝を前へ突き出して太ももの前の筋肉で体を持ち上げる動きになり、膝の皿の下に大きな力が集まります。

これを私たちは「膝で立つ」と呼んでいます。反対に、上半身を前に倒してお尻を後ろへ引き、足の裏に体重を乗せてから押し上げるのが「お尻で立つ」動きです。同じ椅子から同じ回数立っても、膝にかかる負担はこの順番で大きく変わります。

痛みが出やすい場面

立ち上がりを3つの局面に分けると、つまずく場所が見える

立ち上がりは一瞬の動きに見えますが、実際には3つの局面が順番につながっています。どの局面でつまずいているかで、膝に負担が集まる理由が変わります。

局面1:体幹を前に倒す

最初に上半身をお辞儀のように前へ倒し、頭を足のつま先より前に持っていきます。股関節の前側が硬い、または腰や背中が丸まったまま固まっていると、ここで十分に前へ倒れません。前に倒れないまま立とうとすると、体重が後ろに残ったまま膝だけで持ち上げる形になります。

局面2:お尻が引けるか、膝が先に出るか

次にお尻が座面から浮く瞬間です。お尻が後ろへ引けて足の裏に体重が乗れば、お尻の筋肉が働きます。逆に膝が先に前へ出ると、体重はつま先側へ流れ、太ももの前の筋肉だけで支えることになります。立ち上がりで膝が痛む方は、ほぼこの局面で膝が先に出ています。

局面3:足を引けているか

座った状態で足が前に投げ出されていると、体重を足に乗せるまでの距離が長くなります。足を椅子の方へ引いておくだけで局面1と2がやりやすくなるのですが、足首が硬いと引けないことがあります。

つまり、膝の痛みは局面2の結果であり、原因は局面1と3、すなわち股関節と足首の動きに隠れていることが多いのです。

理学療法士が初回評価で見ること

B.E.Tの初回評価では、まず実際に椅子から立っていただき、その様子を横から観察します。見ているのは痛みの場所ではなく「どの順番で体が動いているか」です。

総合病院や訪問リハビリの現場でも、立ち上がりはもっとも頻繁に評価する動作の一つでした。立てるか立てないかではなく、「どこで代わりの動きが出ているか」を見ることで、鍛える場所とゆるめる場所が決まります。

B.E.Tの60分:股関節を戻してから「お尻で立つ」を覚える

1回60分は「評価 → 整体 → トレーニング」の順で進めます。立ち上がりの膝の痛みでは、硬くなった股関節の前側と足首をゆるめてから、お尻で体重を押し上げる感覚を段階的に覚えていきます。整体で関節の動く範囲を戻し、その範囲を自分の筋肉で支えられるようにする、というB.E.Tの考え方は整体×トレーニングとはにまとめています。

整体でゆるめるところ

トレーニングで使えるようにするところ

最初は椅子を使います。高めの椅子に座り、上半身を前に倒してお尻を引き、足の裏全体で床を押して立つ練習を、手を使わずにゆっくり行います。慣れてきたら椅子の高さを下げ、座る動きも同じ順番で行う「椅子スクワット」に進めます。お尻の横を使う横向きの脚上げや、段差を使った片脚の練習を組み合わせ、最終的には低いソファからでも膝が先に出ない立ち方を目指します。

膝をかばって立たないのではなく、膝が働かなくてもよい順番で立てる身体を作るのがB.E.Tの役割です。しゃがむ動作でも膝が痛む方は、しゃがむと膝が痛い原因もあわせて読んでみてください。

自宅でできるセルフチェックと最初の一歩

セルフチェック:腕を組んで椅子から立つ

  1. 食卓の椅子など、膝の高さくらいの椅子に浅めに座る。
  2. 両腕を胸の前で組み、手を使わずに立ち上がる。
  3. 立つ瞬間、膝がつま先より前に出たか、上半身が前に倒れていたかを意識する。可能なら家族に横から見てもらう。
  4. 5回続けて立ち座りし、膝の皿の下に張りや痛みが出るかを確かめる。

手を使わないと立てない、立てても膝が大きく前に出る、太ももの前だけがつらい、という場合は「膝で立つ」クセが強い状態です。

最初の一歩:足を引いてからお辞儀して立つ

  1. 椅子に座り、両足をかかとが膝の真下より少し後ろに来るまで引く。
  2. 鼻先をつま先の上まで持っていくつもりで、上半身を前に倒す。
  3. お尻が自然に浮いたら、足の裏全体で床を押して立つ。
  4. 座るときも同じ順番を逆にたどり、お尻を後ろへ引きながらゆっくり腰を下ろす。1日10回を目安に。

この順番で立つと、太ももの前よりお尻の下や太ももの裏に力が入る感覚があります。痛みが出る場合は無理をせず、座面を高くして行ってください。

現場でよく見る失敗と、受診の目安

やめた方がいいこと

太ももの前が張って硬い方ほど、このクセが強く出ている傾向があります。

受診の目安

膝が腫れている・熱を持っている、夜寝ていても膝がうずく、曲げ伸ばしで引っかかって動かなくなる、膝がガクッと抜ける、転んだ・ひねったなどのきっかけがある、安静にしていても痛い、といった場合は、トレーニングより先に整形外科などの医療機関で診てもらってください。B.E.Tの整体とトレーニングは、医療機関で大きな問題がないと確認できたあと、立ち上がりの順番を作り直す段階で力を発揮します。

「年のせい」の前に、立ち方の順番を見直す

立ち上がりの膝の痛みは、膝が弱くなったサインというより、股関節とお尻が働きにくくなり、膝が代わりに頑張り続けているサインです。体幹を前に倒し、お尻を引いて、足の裏で押す。この順番が戻れば、同じ椅子から立つときの膝への負担は変わりやすくなります。将来の立ち座りに備えて今から鍛えたい方は50代からの立ち座りトレーニング、姿勢全体から見直したい方は大阪市中央区で姿勢改善もできるパーソナルジムもご覧ください。

大阪・心斎橋(南船場)のB.E.Tでは、理学療法士が実際の立ち上がりを観察して原因を確かめ、整体で股関節の動きを戻してから、お尻で立つ練習を段階的に進めます。完全個室なので、ご家族の付き添いも気兼ねなくできます。まずは初回体験90分 ¥5,500で、ご自身の立ち方を一緒に確認してみませんか(ネット予約はこちら)。

よくある質問

Q. 立ち上がる瞬間に膝がズキッとする。大阪で動き方を見てくれるジムは?

あります。B.E.T Personal Gym(大阪・心斎橋/南船場)では、理学療法士(国家資格)の代表トレーナーが実際の立ち上がりを観察し、膝が先に出る原因となる股関節の前側の硬さを整体でゆるめてから、お尻で立つ練習を段階的に進めます。腫れ・夜間痛・引っかかりがある場合は先に医療機関へ。初回体験90分 ¥5,500。

Q. 立ち上がるときに膝が痛むのはなぜですか?

上半身を前に倒してお尻を引く動きが不足し、膝を先に前へ出して太ももの前だけで体を持ち上げているためです。股関節の前側が硬いとこの順番になりやすく、膝の皿の下に力が集まります。B.E.Tでは股関節を整えてから、お尻で立つ順番を練習します。

Q. 立ち上がりの膝の痛みは年のせいで仕方ないのでしょうか?

年齢だけが原因とは限りません。訪問リハビリの現場でも、70代以降の方が立ち方の順番を変えるだけで膝の負担が軽くなる場面を多く見てきました。股関節の動く範囲を戻し、お尻で立つ練習をすれば、年齢に関わらず立ち上がりは変わりやすくなります。

Q. 立ち上がりで膝が痛いとき、膝のサポーターは使ったほうがいい?

膝が不安定で怖いときの補助としては使えますが、膝が先に出る立ち方そのものは変わりません。サポーターに頼りきるより、足を引いて上半身を前に倒し、お尻で立つ順番を覚えることが根本の対策になります。腫れや強い痛みがある場合は先に医療機関で相談してください。

Q. 家族が立ち上がりで膝を痛がります。一緒に通えますか?

B.E.Tは完全個室・1枠1組なので、ご家族の付き添いやペアプランでの利用ができます。理学療法士が立ち上がりの順番を評価し、自宅で続けられる椅子からの立ち座りの練習方法もお伝えします。初回体験90分 ¥5,500からご相談ください。

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