この記事の要点

  • 産後のお腹は、肋骨が開いたまま・呼吸が浅い・骨盤底筋が働きにくいという「お腹の筒」の崩れで戻りにくくなる。
  • いきなり上体起こしの腹筋をすると、お腹が前に押し出されたり骨盤の底に負担がかかったりしやすい。
  • B.E.Tでは呼吸と骨盤底筋→お腹の奥→お尻と背中の順で鍛え、食事は授乳期に配慮しながらカロみるの記録を対面で見直す。

体重は妊娠前に近づいたのに、下腹だけがぽっこりしたまま。腹筋を頑張っても、かえってお腹が前に張り出す感じがする。産後のお腹についてB.E.Tに寄せられる相談は、この2つがとても多いです。理学療法士の立場から見ると、産後のお腹は「腹筋が弱いから戻らない」のではなく、呼吸と骨盤底筋を含めたお腹全体の支え方が、妊娠中の形のまま残っていることが原因になっています。

結論:産後のお腹は「腹筋」より先に「呼吸と骨盤底筋」から戻す

お腹は、上を横隔膜、下を骨盤底筋、周りをお腹の奥の筋肉(腹横筋)と背骨沿いの筋肉が囲む「筒」のような構造で支えられています。妊娠中はこの筒全体が内側から引き伸ばされ、産後もしばらくは形と働きが戻りきりません。

この状態で上体を起こす腹筋運動を繰り返しても、筒の上と下がしっかり閉じていないため、力が逃げてお腹が前に押し出されます。まず呼吸で肋骨を戻し、骨盤底筋が働く感覚を取り戻し、そのうえでお腹の奥、最後にお尻と背中という順番が、遠回りに見えて実は近道です。

産後のお腹が戻らない3つのメカニズム

1. 肋骨が横に開いたまま

妊娠後期には赤ちゃんのスペースを作るため、下の肋骨が横と前に広がります。産後も肋骨が開いたままだと、みぞおちから下腹にかけてのラインが前にせり出し、ウエストのくびれも出にくくなります。

2. 呼吸が胸の上だけになっている

肋骨が開いて固まると、横隔膜が上下にしっかり動かず、息を吸うたびに肩と胸の上が持ち上がる浅い呼吸になります。横隔膜が動かないと、その下にある骨盤底筋も連動して働きにくくなります。

3. 抱っこ姿勢で腰が反り、お腹が前に出る

赤ちゃんを抱く時、多くの人はお腹を前に出して腰を反らし、骨盤に赤ちゃんを乗せるように支えます。この姿勢が一日に何度も繰り返されると、腰の筋肉ばかりが緊張し、お腹の奥の筋肉はゆるんだ位置で固定されてしまいます。

3つが重なると「体重は戻ったのにお腹だけ出る」

肋骨が開き、呼吸が浅く、腰が反った姿勢が続くと、お腹の中の圧は前と下に逃げ続けます。脂肪が減って体重が妊娠前に近づいても、内側から押し出される形が残るため、下腹のぽっこりだけが目立つのです。

また、骨盤底筋は妊娠と出産で大きく引き伸ばされる筋肉です。ここが働かないまま立ったり抱っこしたりしていると、お腹の奥の筋肉も一緒にスイッチが入りにくくなります。お腹の見た目と、くしゃみの時の尿もれや腰の疲れやすさが同時に起きやすいのは、同じ「筒」の問題だからです。

理学療法士が初回評価で見ること

B.E.Tの初回では、お腹の見た目だけでなく、支え方の順番を確認します。

お腹の真ん中の盛り上がりが大きい場合は、腹直筋の間が開いている可能性があります。程度によって進め方が変わるため、気になる場合は産後健診や医療機関でも相談してください。

B.E.Tの60分の進め方

1回60分は「評価 → 整体 → トレーニング」で進めますが、産後の方は特に順番を丁寧に組みます。

  1. 評価:その日の睡眠や抱っこの量も聞きながら、呼吸と姿勢の状態を確認します。
  2. 整体:開いて固まった肋骨まわり、抱っこで張った腰と背中、縮んだ股関節の前側をゆるめ、呼吸で肋骨が動く余地を作ります。
  3. トレーニング:最初は仰向けで、息を吐きながら肋骨をすぼめ、同時に骨盤の底を軽く引き上げる練習から始めます。それができたら、仰向けで手足をゆっくり動かすデッドバグ、お尻を持ち上げるヒップリフト、最後に赤ちゃんを持ち上げる動作に近いスクワットへ進めます。

上体起こしの腹筋は、お腹の真ん中の盛り上がりが出ない段階まで来てから、必要に応じて取り入れます。

また、トレーニングの中で抱っこやベビーカーの持ち上げ方、授乳の時の座り方も一緒に確認します。ジムにいる60分より、家で赤ちゃんと過ごす時間の方がずっと長いため、日常の動作で腰を反らさずにお腹の奥とお尻を使えるようになることが、お腹の形を戻すうえで大きな意味を持ちます。

産後の食事は「減らす」より「欠けているものを足す」

授乳中は必要なエネルギーが増えるため、極端に食事を減らすのはおすすめしません。B.E.Tでは極端な糖質制限は使わず、授乳の有無や目標・期限に合わせて1日のカロリーとPFCを設計します。

食べたものは無料アプリ「カロみる」に記録し、来店時にトレーナーが対面でフィードバックします。産後の記録でよく見直すのは次のような点です。

完璧な記録は求めません。写真だけでも残しておけば、対面で一緒に「次の1週間で変えるところ」を一つ決められます。始める時期や食事の考え方は産後ダイエットの始め方も参考にしてください。

自宅でできる最初の一歩と、避けたいこと

最初の一歩:肋骨をすぼめる呼吸

  1. 仰向けで膝を立て、両手を下の肋骨の横に添えます。
  2. 鼻から息を吸い、手を押し返すように肋骨を横に広げます。
  3. 口から細く長く吐きながら、肋骨が内側・下側にすぼまるのを手で感じます。吐き終わりに、おしっこを途中で止めるようなイメージで骨盤の底を軽く引き上げます。

5回ほどを1セットに、授乳後や寝る前など決まったタイミングで行うと続けやすくなります。

現場でよく見る、避けたいパターン

受診の目安

くしゃみや歩行で尿もれが続く、骨盤や恥骨まわりの痛みが強い、お腹の真ん中の盛り上がりが大きい、帝王切開の傷が痛むといった場合は、先に医療機関で相談してください。しびれや安静時の痛み、腫れや熱感がある場合も同様です。

産後のお腹は順番を守れば変わりやすくなる

産後のお腹は、腹筋の回数を増やすより、呼吸と骨盤底筋、お腹の奥、お尻と背中という順番で支え方を戻すことが大切です。骨盤まわりの整え方は産後の骨盤の整え方、下腹に効かせるトレーニングの順番は下腹ぽっこり(女性)の筋トレ、ウエストの輪郭はくびれの作り方で解説しています。

完全個室・1枠1組で、ウェアやタオルの無料レンタルもあるため、限られた時間でも手ぶらで通えます。まずは理学療法士の評価・整体・トレーニング体験をまとめた初回体験(90分 ¥5,500)を、ネット予約から空き枠を選んでお申し込みください。

よくある質問

Q. 産後のお腹はいつからトレーニングしていいですか?

産後健診で医師から運動の許可が出てからが目安です。呼吸と骨盤底筋の練習のような軽いものから始め、上体起こしの腹筋や強い負荷は、お腹の真ん中の状態を確認しながら段階的に進めます。

Q. 産後に腹筋をするとお腹が出るのはなぜですか?

横隔膜と骨盤底筋が働かないまま上体を起こすと、お腹の中の圧が前に逃げ、お腹が押し出されるためです。先に呼吸で肋骨をすぼめ、骨盤の底を引き上げる感覚を作ってから腹筋に進むのがおすすめです。

Q. 授乳中でもダイエットはできますか?

できますが、食事を極端に減らすのは避けます。B.E.Tでは授乳の有無に合わせてカロリーとPFCを設計し、カロみるの記録を見ながら、足りない栄養を足す方向で調整します。

Q. 骨盤ベルトだけでお腹は戻りますか?

ベルトは一時的な支えにはなりますが、それだけで筋肉が働くようになるわけではありません。呼吸と骨盤底筋、お腹の奥の筋肉を自分で使えるようにしていくことが大切です。

関連記事

初回体験を予約する ボディメイクのページを見る